THE WHISKY JOURNAL

今さら聞けない!シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの違い

蒸溜所の銅製ポットスチル

シングルモルトとブレンデッドの違いを、原料・原酒・蒸溜所・味わいから初心者向けに解説。ブレンデッドモルトや選び方、おすすめ銘柄も紹介します。

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「シングルモルトとブレンデッドは何が違うの?」「シングルモルトのほうが高級なの?」と疑問に思ったことはありませんか?

大きな違いは、原酒がどの蒸溜所で造られ、どのように組み合わされているかです。この記事では、主にスコッチウイスキーの分類をもとに、原料、製法、味わい、選び方を整理します。

シングルモルトとブレンデッドの違い

比較項目 シングルモルト ブレンデッドスコッチ
原料 水と大麦麦芽 モルト原酒とグレーン原酒
使用する原酒 ひとつの蒸溜所で造られたモルト原酒。複数の樽を使うことがある 複数のモルト原酒とグレーン原酒を組み合わせる
蒸溜所 単一蒸溜所 複数の蒸溜所の原酒を使うことが多い
味わいの傾向 蒸溜所や樽の個性が表れやすい 原酒を組み合わせた調和やバランスを楽しめる
香りの特徴 フルーティー、華やか、スモーキーなど幅広い 商品ごとに異なり、甘みや煙、果実香など多彩
価格帯 商品、熟成年数、販売状況によって幅がある 普及価格帯から高価格商品まで幅広い
代表銘柄 グレンフィディック12年、余市、宮城峡など デュワーズ ホワイト・ラベル、ジョニーウォーカー ブラックラベル、響 JAPANESE HARMONYなど

これはスコッチの分類を中心にした比較です。各国で商品区分や表示基準が異なるため、日本の商品名や表示をそのままスコッチの法的分類と同じものとして扱わないようにしましょう。

シングルモルトウイスキーとは?

スコッチのシングルモルトは、ひとつの蒸溜所で、水と大麦麦芽を使って造られたモルトウイスキーです。「シングル」は蒸溜所がひとつであることを指し、「モルト」は大麦麦芽を意味します。

蒸溜所ごとの製法や原酒、熟成樽の違いが個性につながります。洋梨やリンゴのようにフルーティーなもの、花を思わせる華やかなもの、ピート由来のスモーキーさが際立つものなど、スタイルはさまざまです。

シングルは「樽がひとつ」という意味ではない

ひとつの蒸溜所で造られた原酒なら、同じ蒸溜所の複数の樽から選んで組み合わせてもシングルモルトです。例えば、グレンフィディック12年の公式説明では、バーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成した原酒を使い、オーク製のマリッジングタンクでなじませる製法が紹介されています。

一方、一般に「シングルカスク」と呼ばれる商品は、ひとつの樽から瓶詰めしたものです。蒸溜所がひとつかどうかを表す「シングルモルト」とは、別の特徴を示しています。

ブレンデッドウイスキーとは?

スコッチのブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを組み合わせたものです。異なる蒸溜所や製法から生まれた原酒を使い、ブレンダーが商品として目指す香りや味わいに整えます。

グレーンウイスキーの役割

スコッチのグレーンウイスキーは、単一の蒸溜所で造られ、モルトウイスキーの定義に当てはまらないウイスキーです。大麦麦芽のほかに、トウモロコシや小麦などの穀物を使うことがあります。連続式蒸溜機を用いる製法も一般的です。

グレーン原酒はブレンドの土台や口当たりの調整に使われることがありますが、特徴は原料や蒸溜所、製法で変わります。モルト原酒と組み合わせることで、香りや味のバランスに幅を持たせられます。

ブレンダーが原酒を組み合わせる

ブレンダーは原酒ごとの個性を確かめ、配合を考えます。異なる原酒を組み合わせる目的は、特定の味わいを設計したり、定番商品の品質を維持したりすることです。ブレンデッドウイスキーにも、繊細さや複雑さ、熟成感を追求した商品があります。

どちらがおいしい?好みに合わせて選ぼう

シングルモルトとブレンデッドに優劣はありません。違う個性を楽しむスタイルとして、好みや飲み方から選んでみましょう。

こんな楽しみ方がしたい 選ぶときのヒント
蒸溜所ごとの個性を知りたい シングルモルトから選ぶ
味わいの調和やバランスを楽しみたい ブレンデッドから選ぶ
スモーキーな香りが好き シングルモルト、ブレンデッドの両方から探せる
ハイボールで楽しみたい どちらにも合う商品がある。公式の飲み方も参考にする
価格から選びたい 熟成年数、容量、販売店、時期をそろえて比べる

ブレンデッドは飲みやすい、シングルモルトはスモーキーと一律に決まるわけではありません。商品ごとの説明や、実際の味の紹介を確認しましょう。

おすすめシングルモルト3選

ここでは、公式の商品説明をもとに、異なる個性を知る候補を紹介します。テイスティング表現はメーカーによるもので、筆者の実飲評価ではありません。

グレンフィディック12年|果実香から始めたいときに

グレンフィディック12年は、公式説明で洋梨を思わせるフレッシュな香りや、甘くフルーティーな味わいが紹介されています。果実香を手がかりにシングルモルトを選びたい方の候補です。銘柄記事はこちら。

シングルモルト宮城峡|華やかでやわらかな香り

ニッカの公式説明では、宮城峡はリンゴや洋梨を思わせる甘く華やかな香り、なめらかな味わいが特徴として紹介されています。繊細でフルーティーな方向が気になる方に向きます。ニッカ公式の商品情報。

シングルモルト余市|力強いピート香

余市は、公式説明でしっかりとしたピート感、香ばしさ、力強い味わいが紹介されています。スモーキーなシングルモルトを試したい方や、宮城峡と香味を比べてみたい方の候補です。ニッカ公式の商品情報。

おすすめブレンデッド3選

デュワーズ ホワイト・ラベル|ハイボールにも

デュワーズの公式説明では、ホワイト・ラベルはモルトとグレーンの原酒を用いたブレンデッドスコッチで、柑橘、洋梨、蜂蜜、バニラなどの香味が紹介されています。ブランドはハイボールやカクテルでの楽しみ方も案内しています。デュワーズ公式商品情報。

ジョニーウォーカー ブラックラベル12年|甘みとスモーク

公式説明では、スコットランド各地の12年以上熟成したモルト原酒とグレーン原酒をブレンドし、甘みとスモーキーさを重ねた味わいが紹介されています。ストレート、オン・ザ・ロック、ハイボールなどで楽しめます。ジョニーウォーカー公式商品情報。

響 JAPANESE HARMONY|華やかで繊細なブレンド

響 JAPANESE HARMONYは、サントリーが多彩な原酒とブレンド技術でつくる商品です。公式テイスティングノートでは、ローズやライチを思わせる香り、蜂蜜の甘さ、繊細で穏やかな余韻が紹介されています。サントリー公式商品情報。

蒸溜所の銅製ポットスチル
原酒のつくり方と組み合わせ方が、一本の個性につながる

ブレンデッドモルトという種類もある

ブレンデッドモルトは、複数の蒸溜所で造られたモルト原酒を組み合わせたスコッチです。グレーン原酒は使いません。スコッチの分類では「ブレンデッドモルト」と呼び、モルトとグレーンを組み合わせる「ブレンデッドスコッチ」と区別します。

種類 蒸溜所 原酒
シングルモルト ひとつ モルト原酒
ブレンデッドモルト 複数 モルト原酒のみ
ブレンデッドスコッチ 複数が一般的 モルト原酒とグレーン原酒

日本では、ニッカが余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所のモルト原酒を組み合わせた商品を「竹鶴ピュアモルト」として紹介しています。スコッチの分類と日本の商品名は制度が異なるため、同じ法的表示とみなさず、商品の説明を確認しましょう。竹鶴ピュアモルト公式。

ジョニーウォーカー グリーンラベル15年も、公式サイトでブレンデッドモルトスコッチとして案内されています。ジョニーウォーカー公式商品情報。

よくある質問

シングルモルトのほうが高級なの?

シングルモルトという分類だけで価格や品質が決まるわけではありません。熟成年数、原酒、樽、商品設計、販売状況などによって価格は異なります。ブレンデッドにも高価格帯の商品があります。

ブレンデッドは品質が低いの?

いいえ。ブレンデッドは複数の原酒を組み合わせて味をつくるスタイルです。原酒の選定や調整には専門的な技術が使われ、品質の優劣は分類だけでは決まりません。

ブレンデッドにも熟成年数はある?

あります。スコッチで年数を表示する場合は、ブレンドに使った原酒のうち最も若いものの熟成年数を示します。ボトルの表示を確認しましょう。

初心者にはどちらがおすすめ?

どちらから始めても大丈夫です。蒸溜所や樽の違いに興味があればシングルモルト、香味のバランスやハイボールでの飲みやすさから選びたければブレンデッドも候補になります。飲み方や好みに合わせて選んでください。

まとめ|違いを知って飲み比べよう

シングルモルトはひとつの蒸溜所のモルト原酒、ブレンデッドスコッチはモルト原酒とグレーン原酒を組み合わせたウイスキーです。シングルモルトは蒸溜所の個性を、ブレンデッドは異なる原酒の調和を楽しめます。

どちらが優れているというものではありません。気になる香りや飲み方を手がかりに選び、少量から飲み比べてみると、自分の好みが見つかりやすくなります。

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参照した公式情報

本記事の香味説明はメーカー公式情報をもとにしています。筆者の実飲体験や個別銘柄の実飲評価を述べたものではありません。